売上高の増加策
売上高を上げる方策として一般に次の方法があります。
売上高の増加策では、経営課題と食い違いが起きないように注意してください。
① 新しい商品の販売を開始する
② 高価格の商品を販売する
③ 新しい販売方法を採用する(店頭販売 → 通信販売 など)
④ 様々な販売促進策を講じる
売上増加には前準備や相応の費用が必要
いずれも販売力が求められますが、販売力がないために売上が減少しているような場合や、市場そのものが縮小している場合は、販売力をつけるための教育・訓練を行ったり、新たな市場を開拓するという“前準備”が必要となります。
また、販売促進策には、なにがしかの費用が必要となります。ここでも費用対効果をよく考える必要があります。
お金をかけない販売促進策はないのか、最少の費用で最大の効果を上げるためにはどうしたらよいのか、などです。
安易に安売りしない
価格を割り引いて販売する方法は、うまくいけば量ははけますが、利益という点では利益を犠牲にする方法です。
粗利益率3割の商品を1割引で販売すれば、5割以上売上が増加しないと元が取れません。割引き販売で量を多く売ると売上高が増加し、いかにも儲かったような気になりますが、利益という点では厳しい販売促進策となります。
お客様のニーズに応えること
売上高を増加させるための基本は“お客様のニーズに応える”です。
売り手の論理ではなく、買い手の利便性や必要性に応えるためにはどうしたらよいか、という視点で販売促進策を講じると良い結果が出ます。
売上高増加目標の達成方法
売上高の増加目標額は、しばしば現在の売上高の○%増加という形で設定されます。
ただその根拠はと問われると、困ってしまうのが常です。
特に根拠があるわけではなく、むしろ利益額から逆算してその程度の売上増がないと達成できない、ということで計算されていることが多いからです。
ただ利益額から逆算されているということは、それだけの売上増がなければ借入金の返済などができないということになりますから、ある意味では必達目標ということになります。
考え方としては、その金額を達成するためにはどうしたらよいか、ということを考えるべきでしょう。
売上高を構成する要因は、商品、価格、量、消費者です。
特に商品と消費者をどのように結びつけるかが重要になります。商品と消費者の間にいわゆる販売促進策が展開されることになります。
販売促進策には様々の手法がありますが、基本はお客様のニーズに応える、あるいはお客様の利益を図ることに尽きます。
どうしたらお客様はその商品を買いたいと思うようになるのか、その点で会社の総力を挙げて販売促進策を検討し、実行に移していきます。
粗利益率の向上策
粗利益率を向上させるための方策として一般に次の方法があります。
①高付加価値商品を販売すること
②できるだけ定価で販売すること
③ロスを削減すること など
小規模事業者には基本的に(低価格で販売する)価格戦略は向きません。できるだけ高付加価値の商品を販売し、価格訴求競争から脱出することが大切です。
高付加価値商品の販売、定価での販売
高付加価値商品の販売とは、商品の価格を生産原価(又は仕入価格)に利益を乗せた価格ではなく、売り手が希望する価格をお客様に納得してもらった上で購入して頂くため、独自の付加価値を加えた商品を販売することをいいます。
高付加価値商品の販売では、業種を問わず経営者の技術水準が高いこと、お客様のニーズに応えるという姿勢が徹底していること、「経営者を買ってもらう」というスタンスが必要です。
業種別の対応法
- サービス業、飲食業・・・商品の性質からみて対応はそれほど難しくはありません。
- 小売業・・・価格競争が起きにくい専門的な商品やファッションセンスの高い商品、アフターサービスが必要な商品に適しています。顧客層としては中高年齢者、特に高齢者が該当します。
- 製造業・・・自社で高付加価値商品を製造すること。
- 建築業・・・小規模な増改築工事、補修工事を直接積極的に受注すること。
※定価で販売する場合も考え方は同じです。