経営課題解決策の検討
外部課題への考え方と解決策
外部課題そのものは自社としては手のつけようがないので回避策を講じます。
販売している商品そのものに競争力がなくなってきた場合は、別の商品を販売(業種の変更)するか、販売方法(業態)を変更するかします。
立地環境が変化し、その場所で営業すること自体が経営悪化の原因であれば移転(立地の変更)します。
なお、商品の変更や販売方法の変更、場所の変更もできなければ廃業するより仕方ありません。
内部課題への考え方
経営課題はある意味で全て内部課題と言えると思います。
外部課題はないわけではありませんが、仮にあったとしても対応不可能ですし、むしろ経営そのものが外部環境の変化を前提として、その変化にどのように対処するのかに内容を求められているからです。
上記で「外部課題」を設定したのは、外部課題も当然あるし、それが何であるか理解した上で対応策を講じることが重要だと思われるからです。
ただ内部課題への対応は言葉の上ではともかくも、実際には極めて困難な課題です。
内部課題は、外部課題への対応が不十分であるために顕在化してきていることが多いのですが、その背景には、これまでの経営の中にある不適切な取り組みの蓄積があります。
内部課題への対応ポイント
内部課題への対応ポイントは、どこまでその不適切さを直視できるか、克服する手だてをどのように講じるか、講じた後どのように実行するか、にあります。
内部課題を作り上げている要因は、これまでの成功体験やマンネリズムであることが少なくありません。
あるいは環境変化への不適応から解決策が見つけられず、場当たり的な対応を続けていく内に利益を損ねてきた、というところが一般的なのではないでしょうか。
社内常識を疑うこと
この状態を改善するためには、これまでの“常識”を疑ってかかる必要があります。
常識は商品に対する評価、お客様に対する認識、社内の価値観、経営者のスタンスなど社内のありとあらゆるものに及びます。
“常識”の見直しには経営者と従業員、従業員相互間の価値観の共有と意思疎通の円滑化が必要です。
価値観の共有とは、自社の商品の評価や社内で発生することに対する、軽重を判断する基準を社長以下全社員が同じ尺度を持つということです。
意思疎通の円滑化とは、誰が言ったかではなく、何を言ったかで判断される社内風土を作り上げることです。
このような価値観の共有と意思疎通の円滑化が図られた上で、以下に述べるような対応策を講じることができれば、相応の成果が得られるものと思います。小手先の技術的な“改善”だけでは成果は難しいと思います。
社内だけで社内“常識”の見直しが難しい場合は、外部の経営コンサルタントを導入することも1つの方法です。
内部課題への解決策
内部課題に対する解決策は次の通りです。
営業に関わる課題
営業に関わる課題の場合は、何らかのかたちで競争力(付加価値)をつけます。
競争力(付加価値)の内容は一概に言えませんが、競合商品(企業)と明らかに区別できる状態を創り出します。その上で営業力を強化します。
業務管理に関わる課題
業務管理に関わる課題はなかなか困難です。
基本的には数値目標を設定し作業手順を定め、管理規則を整備することで対応しますが、人間のやることですから、なぜそれをしなければならないのかが十分に理解されないといつの間にか元の木阿弥ということになります。
人的な課題
人的な課題はさらに困難です。
人的な課題は基本的な能力が欠落しているのか、能力はあるのに活かされていないのか、社員間の意思疎通が悪いのか、会社のマネジメントそのものが意欲を低下させているのか、これらの見極めが重要です。
基本的な能力が欠落している場合は教育・訓練を行います。
その他の場合には経営者をはじめとして全社的な取組で課題の解決策を探ります。
経営者に関わる課題
経営者に関わる課題は経営者が自分で対応します。(自分自身で対応しないと誰も対応してくれません。)
対応の前提して基本的な経営者のあるべき姿と自分の性格・価値観を認識していることが必要です。
自分だけで対応できない場合は、外部の経営コンサルタントなどの指導を受けるとよいと思います。