経営課題の探索
経営課題は売上高の減少、資金繰りの悪化、借入金の増加というかたちで表面化してきます。
しかし、それらは経営課題が表面化しているものであって経営課題そのものではありません。
経営課題とは、経営を困難な状態に陥れている本質的な事態をいいます。
経営課題には外部課題、内部課題があり、内部課題では経営者のあり方が大きなウエイトを占めています。
以下に代表的な課題をあげていますので、自社に該当するものを探索してください。(当然、ここに例示している以外にも課題はあり得ます。)
外部課題
外部課題には、事業環境に関わる課題、社会環境に関わる課題、経済環境に関わる課題があります。
ただいずれも自社では解決できない課題なので、本当に外部課題だけが自社の経営課題だとすれば、回避策をとるより外に方法はありません。
外部課題の内、社会環境に関わる課題はほとんどが数年前から予測が可能です。
事業環境に関わる課題は日常的な課題ですから予定しておく必要があります。経済環境に関わる課題もある意味では予定しておく必要のある課題だといえます。
【外部課題の事例】
① 事業環境に関わる課題
競合店の出現、競合(代替)商品の出現、集客施設の廃業、受注先の海外進出・倒産・契約破棄、など
② 社会環境に関わる課題
(商圏)人口の減少、(商圏の)少子高齢化、立地環境の変化、交通環境の変化、公共施設の新設・移動・廃止、法的規制の強化・緩和、市町村合併、行政の予算措置の変化、社会的認識の変化、など
③ 経済環境に関わる課題
為替レートの変動、景気の好・不況など
内部課題
内部課題はそれに気づくかどうか、果たしてそれが本当の理由かどうか、あるいはそれだけなのかどうか、そのあたりの見極めが役に立つ経営改善計画となるかどうかの分岐点です。
【内部課題の事例】
① 営業に関わる課題
取引先の減少、取引先の販売力低下、取引先におけるシェア低下、自社商品の競争力低下など
② 業務管理に関わる課題
不十分な事務管理、不十分な機器管理、不十分な資産管理など
③ 人的な課題
社員の高齢化、社員の能力低下、社員の意欲低下、社員間の意思疎通の悪化、社員の知識不足、社員の認識不足、管理職の指導管理不足など
経営者課題
小規模な企業であればあるほど企業の経営悪化に占める経営者の割合は高くなります。