資金繰り表の作り方
資金繰りのポイント
経営改善計画を作成するとしても、成果を上げるためには一定の時間を要します。その時間は状態により半年から2年程度と思われます。
その間資金繰りが円滑に行われ、資金不足による倒産を招かないことが何より重要です。
少なくとも、今後3ヶ月程度は円滑な資金繰りが行えることが経営改善計画を作成する前提となります。
資金繰りで注意すべきポイントは、支払手形、借入金の返済、経費の支払い、売掛金の回収です。
この段階では売上高増加は前提としません。
支払手形についての考え方
既に発行している手形
まずは、最優先でその決済資金を確保します。また、大口先で発行済み支払手形の繰り延べに応じてもらえるところがあれば相談してみます。
今後発行する予定の手形
支払期間の延長を相談できるところには相談してみます。
※ただし、支払い手形の繰り延べ(支払い期間の延長)をお願いすることは、自社の信用不安を引き起こしがちですので相手を選んで慎重に行ってください。
借入金の返済についての考え方
原則、借入金は約定通り返済
資金繰り表を作成し、借入金の返済と資金繰りとの関係を確認します。
返済猶予を金融機関と交渉
約定通り返済できれば問題ありませんが、返済すると資金繰りが困難になり、元金の返済を猶予してもらえば資金繰りが成り立つという場合は、返済の猶予について金融機関と交渉します。
金融機関との交渉に当たっては、ここで作成する「経営改善計画書」を添付します。
元金の返済猶予期間と金額については、資金繰りの余裕度を見て条件を双方で検討することになります。
ちなみに、短期借入金で返済財源が引き当てされている場合、その代金が回収されたら返済することになります。
引き続き短期資金を新規の工事代金引き当てなどで借りなければならない場合は、それが可能かどうか金融機関によく相談してください。
元金返済の猶予をしてもらっている場合は難しくなることがあります。
新規の借り入れは難しい
金融機関からの要請で「経営改善計画書」を作成しなければならない段階では、基本的に新規の借入は難しいと思ってください。
経費支払いについての考え方
役員報酬を大幅にカット
役員報酬は取り敢えず大幅にカットすることが大切です。
原則、経費は支払う
原則経費は支払ってください。
経費は支払わないと事業そのものがストップしてしまいます。
ただし、経費の支払いを待ってもらえるものがあれば待ってもらいます。
保険などの見直しを行う
生命保険料など失効するまで時間があるものは支払いを後回しにします。ただし、火災保険料など未払が直ちに失効につながるものはきちんと支払います。
この際、不要なサービス契約などは契約を解除します。
売掛金回収についての考え方
売掛金の一覧表を作成する
売掛金の一覧表を作成し、金額の大きい順に並べます。
売掛金を回収する
金額の大きい順に回収の努力を行います。また、どうしても回収できないもの(倒産などで)は一覧表から除外します。
なお、売掛金の時効は2年間(飲食代金などは1年)ですから、長期に放置状態となっているものは、たとえ100円でも回収して、時効の中断を図ります。