経営相談のタイミング経営改善に関するご相談をいただいている時に、しばしば不足する資金をどのように捻出するかという話になります。

資金不足の程度は様々で、現金ベース(キャッシュフロー)で現時点より2割以上不足している場合もありますが、数パーセントという場合もあります。

 

何割という割合で現金が不足している場合は、経営を本質的に見直さなければなりません。

しかし、数パーセントという程度であれば、日々のやりくりを見直し、無駄と思われる支出を止めるだけで改善することもあります。

ただ、何が無駄かは人によって違っていて、他人から指摘されるまで無駄だとは思っていないという場合もあります。

 

小規模な建設業を営んでいる経営者さんは、自身が現場監督も兼ねていることが多く、常に従業員と現場に立っています。

建設業の経営者さんは親分肌の方が多く、つい従業員に対していいところを見せたいという思いに駆られることがあるようです。

小規模な建設業の経営者さんが現場の従業員に差し入れをされることは多いようです。

 

缶コーヒーとかペットボトルの清涼飲料水が多いのですが、1日1人あたり300円程度(1日2回分)になります。

1人だけであれば、たばこ代より安いのですが、小規模な建設業と言っても現場には5~6人、大きな現場では十数人の従業員さんがいますから、1日数千円という金額になります。

1日数千円は1ヶ月あたり数万円、1年あたり数十万円です。

 

ほとんどの場合、この数十万円が支出されているという認識なしに支出されていることに問題があります。

1日あたり数千円、多くの場合2~3千円ですから端金という感覚になるのかも知れません。

 

言い古された言葉ですが、“ちりもつもれば山となる”の典型みたいな話です。

 

毎日僅かな資金流出が続いていて、そのことの認識がない場合、なかなか改善しようという状態にはなりません。

今更止めたら“けちだと思われるのではないか”という不安があるからかも知れませんし、親分としては格好悪いと言うことかも知れません。

 

一日数千円の支出が全く無意味だとは思いませんが、意味のある支出かどうかは定かではありません。

しかし、経営者としては、意味のある支出を行わなければなりません。

 

その点で考えると、少なくとも毎日数千円の支出にどのような意味があるのか、それが経営にどのように影響しているのかを考える必要があります。

 

先日の相談では、計算上この支出を止めるだけで不足する現金の半分が改善できることが分かりました。

さすがに経営者さんも数千円の影響の大きさに気づかれて、改善をされることになりました。

 

 

1日数千円の改善で、現金不足に対応できる場合は結構あります。